今現在、A社、B社、C社の3つからお金を借りていて、それぞれ金利が下記のような状況だとする。
- A社:年利20%
- B社:年利18%
- C社:年利9%
この時、返済に困り、3社のうちどれか1つにしかお金を返せない状況になってしまったら、人はどんな行動を取るのでしょうか?
今回はそんなお金の返済と、取り立てにまつわる雑談を書いてみようと思います。
リアルな借金の返済順について:
金利が高いところから返済するのが普通:
まず、常識的に考えると、3社のうち1社しか返済が出来ないなら、年利が高いA社から返済するのが普通ですよね。
- A社:年利20%
- B社:年利18%
- C社:年利9%
なにせ返済をせずに放置するともっとも多くの金利手数料が発生してしまうわけですから、A社への返済を優先するのが当たり前。
敢えて先にB社やC社に返済する理由がない状況です(優先的にA社に返済したほうが金利発生額を抑えられる)。
取り立ての怖さで返済先を選ぶ:
しかし、実際にお金に困ったことがある方の話を聞いてみると、返済順は必ずしもそうとは限りません。
ではなにを基準に返済先を選んでいるのか、それはお金の取り立てが怖いかどうか。
要するに金利が高いとか低いとかではなく、お金を返さないと怖そうなところから優先的に返済をしてしまうそうなんです。
わかりやすく例をあげますね。
たとえばA社からは督促電話などなくハガキ1枚で返済を求められている状況で、B社は督促電話が1度あり女性による丁寧な対応。そしてC社は声の怖い男性からの督促が3回あったとする。
- A社:ハガキによる督促(支払い催促)
- B社:女性からの事務的な電話が1回
- C社:怖そうな男性による電話が3回
この時、理屈だとA社やB社への返済を優先されるはずが、実際は『A社やB社はまだ返済をしなくても怒られなそうだ。取り立てが怖いC社から優先してお金を返そう』とC社への返済が優先されてしまう…という流れです。
取り立ての人が怖い理由はこれ:
だからクレジットカード会社にしろ消費者金融にしろ、督促電話をかけてくる人は女性よりも男性が多く、そのほとんどが不機嫌だったり粗暴な方が大多数。
- 手紙での督促:怖くないので返済が優先されない
- 丁寧な口調の督促電話:怖くないので返済が優先されない
- 怒鳴り口調の督促電話:怖いので返済が優先されがち
これは私自身も経験がありますが、銀行口座残高が一時的に足りず、カードの支払いができなかった時にかかってくる電話というのは常にそんな感じ(R社からの取り立て電話は受話器越しでしたが怖かった…)。
金融業者側も「人は怖いところから優先的にお金を返済すること」を理解しているため、違法にならないギリギリの強度で怖がらせてくるのです。
返済の意図を告げると態度が急変する:
しかし、今日すぐにでも返済する旨を相手側に伝えると、相手側の態度は急変。
トーンが代わっていきなり敬語になり、『ありがとうございます。では銀行口座番号をお伝えしますので、そちらに振り込んでもらえますか?』といった感じに変わるのですね。
- 返済をするかわからない相手には:
粗暴、不機嫌、大声、タメ口を使って威圧感を与える(相手に怖さを与えて返済を優先させる) - 返済をすることがわかった相手には:
敬語、丁寧な口調で対応し、手厚く感謝を伝える(もはや怖さを与える必要がないので丁寧に対応する)
あの七変化は何度聞いても凄いなぁ…と思います(笑)
借金ゼロを目指すなら怖くても金利優先で:
借金生活から抜け出したいと思うなら、いくら電話をかけてくる相手が怖かったとしても高金利なところから返済するのが最善の策。
それに怖い電話をかけてくる相手も半グレや暴力団員ではないので、ストレスにはなってしまうかもしれませんが、優先順位を落とすよう努力してください。
それでも尚、怖い電話が鳴り止まない時は、毎月発生する金利+1円だけの返済で勘弁してくれないかと交渉するのがおすすめ。
そうすれば彼らとしても上司に報告しやすくなるメリットがあるので、うまくいけば怖い電話をおさえつつ、金利が高いところへの返済にお金を回すことができますよ。
- 電話を無視する:怖い電話が続く
- 支払いをまったくしない:怖い電話が続く
- 金利分だけでも払う:怖い電話が控えめに
怖くても電話を無視せず交渉あるのみです。
ドラマのような怖さはない:
尚、この記事で書いている「怖さ」は、みなさんがドラマや映画の中の世界で見た怖さとはまた違います。
とりわけクレジットカード会社や大手消費者金融であれば、取り立てをしている彼らも株式上場をしているような大企業の社員。
『内蔵売れやぁ~!』といった法律を犯すような脅しや、自宅にいきなり来て窓ガラスを割ったりする器物破損はありえないので、その点はご安心ください(詳しくは下記記事にて)。
ただそれでも、ある程度の「怖さ」を出さないとお金を回収できないのはこの記事で書いてきた通り。
業務的にハガキを送って返済を促すだけでは誰もお金を返済してくれないので、彼らも仕事として怖い電話をかけてくるのですね。ご理解ください。
以上、お金が返せなくなった時、人は「金利が高いところ」からではなく「怖いところ」から返済する傾向にある!金利よりも怖さ優先です…という雑談でした。
参考リンク:
今回書いた内容はあくまで大手消費者金融やクレジットカード会社といった、法律を順守してお金を貸している業者の話。
ヤミ金や現金化業者のような違法業者からお金を借りる場合にはこの限りではないので、お金に困ってもそういった業者からは1円も借りてはいけませんよ(消費者金融とヤミ金の違いについては下記記事を参照に)。