「カップラーメンなんて食べてるから、いつまでも借金が返せないんだよ。」
テレビ番組等で貧困の特集がされると、視聴者から決まってこんな感じのコメントが寄せられるもの。
ほかにもコンビニ弁当なんて贅沢とか、冷凍うどんを使って自炊すれば1食35円で抑えられるのに…などなど、多方面から辛辣なコメントが集まるわけですが、では貧困に苦しんでいる人はなぜそんな当たり前の節約を実行できないのでしょうか?
ちょっと不思議ですよね。
そこで今回は貧困が抱えている難しい問題点をわかりやすく解説。これを読めばきっと、お金に困った人に陥っているほんとうの問題点がわかると思いますよ。
貧困に陥った時の思考停止について:
借金は思考回路を停止させる:
借金で苦しんでいる人はなぜ、カンタンな節約すら実行できないのか?この答えは単純で、アタマの中が借金返済でいっぱいだから。
要するに1日中お金の返済のことばかりを考えているために、節約を実行する気力がわかない…というのが実情なんです。
- 気持ちにゆとりがある:節約のために工夫できる
- 気持ちにゆとりがない:思考停止状態でも食べられるものを食べる
まぁ悪循環と言えば悪循環ですよね、これ。
そんなもの気力で…は正論だが:
こう書くと、『そんなものは気力でどうにかすべきだ!甘えんな!』と思う方もいるかもしれませんが、考えてみてください。
朝から鳴り止まない借金取りからの電話、自宅に定期的に訪れるお金の取り立て、郵便ポストに積もっていく督促状、LINEに届く友人からの金返せ…などなど。
- 携帯電話:借金取りからの電話が来るので怖い
- 自宅:借金取りが訪問するので怖い
- 郵便ポスト:督促状や裁判所からの呼び出しあり
- LINE:友人からの金返せ、お前には失望したメッセージ
- 街を歩く:どこに借金取りがいるかわからないので怖い
そんな状況下で「今日はちょっと遠いけど業務スーパーまで自転車で行き、冷凍そばともやしを購入しよう!そうすれば1食40円で収まるから、贅沢だけど生卵もつけちゃえ。不足しがちなタンパク質摂取もこれで十分!」なんて考えられると思いますか?
たぶんよほどメンタルが強い人でもなければ無理な話。
それにお金をそこまで借りなくちゃいけない状況下に追い込まれている方は大抵、精神的にも追い詰められてしまっているので、そんなことを考えられる余裕があるわけもありません。
とにかく次にやってくる返済日までに、お金をどう作るかで頭がいっぱい。
だから思考停止状態でも食べられるカップラーメンやコンビニ弁当が主食になるんです(そして片付ける余裕もないので食べたまま放置しがち…)。
タバコを辞められないのも同じ理由:
同様に「タバコなんて吸ってるから借金するんだよ」なんて指摘が入ることもありますが、これも理由は似たようなもの。
タバコを吸っている人にとってタバコを辞めることは大きな活力を必要とする行為。
頭の中に余裕があり、精神的に安定している時ならその活力が湧いて出てきますが、頭の中が借金返済でいっぱいだとそんな余裕は産まれません。
- 元気な時:タバコを辞める元気がある
- 思考停止な時:タバコを辞める元気がない
結果、タバコを減らせばお金が節約できることがわかっていてもタバコを辞められない。そんな悪循環に陥ることとなります。
勉強すりゃいいのにも同じ理由:
さらにいうと、「お金に困っているのはお金の知識が足りないからだ!もっと勉強してキャッシュレス決済でも使えよ!」みたいな指摘も無理な話。
とにかく頭の中は返済でいっぱいなのですから、新しくなにか知識を入れる余裕なんてないんです。
これが貧困が抱えている本当の問題点なのかもしれません(私も下記のように、お金に困っている人はお金の知識をつけたほうがいいよ…みたいな文章を書いてるので人のことはあまり言えない)。
思考回路を戻すには借金を無くすしかない:
参考までに思考停止状態から元の生活に戻す方法もすこしだけ。一番いいのはやはり、借金返済を諦めてしまうことですね。
なにせ一度、借金の返済に行き詰まると、自分で働いて返すというよりかはどこからか新規にお金を借りて別のところに返す…といった自転車操業状態に陥ってしまうため、借金地獄から抜け出すことは容易ではありません。
加えて前述のように節約する余裕なんてないですし、すでに仕事はこれ以上増やせない状態 or 雇ってもらえないケースのほうが多いでしょうから、借金が増えることはあっても減ることは望み薄…。
- 理想:借金をすこしずつ返済して減らす
- 現実:頑張っても借金はすこしずつ増えていく
だったらいっそのこと、「返済を諦めてしまったほうが幸せ」だと思いませんか?
困窮時に取れる選択肢は2つ:
『そうはいっても取り立てが怖いし…』と思われた方のために、借金返済を諦める方法を2つほど。
1つは絶対にやりたくないと思われるかもしれませんが、両親や親族に頼る方法。
借金をしてしまった理由をきちんと伝え、もう二度としないと約束をすれば1度は助けてくれるかもしれません。
これなら金利発生をゼロに抑えられるので、毎月1万円でも返済していけばいつかは借金ゼロにできることでしょう。
自己破産を選択肢にいれよう:
2つ目は自己破産を検討すること。
下記のような弁護士&司法書士に相談して借金をゼロにしてしまえば、借金でいっぱいな頭を空っぽにできるメリットがあります(匿名OKなので困っているなら気軽に相談を!)。
ただ自己破産ってほんとイメージが悪い。
だいたい自己破産と聞くと人生の終わりだとか、そんなことをするくらいだったら死んだほうがマシだ…みたいに思われるのが普通なんですが、自己破産する人ってみなさんが思うよりも多いもので、過去10年で70~80万人いるんですよね。
日本の成人人口で考えるとざっと120~130人に1人くらい。
きっと知らないだけで、あなたの小学校、中学校、高校生の同級生の中にも3~4人はいる計算となります。別に珍しくもありません。
気になる方は、実際に自己破産をした人の体験談などをわかりやすく解説した下記記事も参考にどうぞ。自己破産の実情がわかります。
借金をなくして頭の中に余裕を作り出そう:
こんな感じで、お金に困った人がカップラーメンやコンビニ弁当を食べるのには理由があるため、いくら周りが「そんなお金の使い方をしてるから借金するんだよ」と正論を投げても意味はありません。
それよりも少しでも借金を減らす手伝いをしてあげるか、借入先をまとめるなどして脳内に余白を作ってあげるのがおすすめ。
それでもどうしようもなかったら自己破産をすすめるなど、人生をやりなおすきっかけを与えてあげるのがほんとうの「正論」ですよ。
以上、お金に困った人がカップラーメンやコンビニ弁当を食べるのには理由あり!借金を返済をしないと食費節約や禁煙なんて無理です…という話題でした。
参考リンク:
お金が返せなくなった時の返済先について書いた記事。
冷静に判断すれば金利が高いところから返していくべきなのに、人は怖いところから優先して返してしまうのも思考停止状態なのかもしれません。